力を込めて持ち上がるとバリバリと音を立てながら畳が剥がされていく。


その下には湿気取りのため古新聞が敷かれていた。


2人は畳を壁に立てかけて新聞を確認した。


随分と古い新聞だけれどずっと畳の下にあったおかげで日付を読み取ることができた。


「今から40年前。この家が建てられたときの新聞だ」


「畳の交換はしても、新聞はそのままだったんだね」


どうしてそんなことをしたのだろう?


普通、畳を上げるのならボロボロになった新聞だって替えるはずだ。


新たに生まれた疑問に首をかしげて新聞に手を伸ばす。


それを指先でつまんで持ち上げたとき、新聞の下にある板になにかが張り巡らされているのが見えた。


え?


一瞬それがなんだかわからなくてくるみは動きをとめる。


祐次は息を飲み、一気に新聞紙を取り外した。


出てきたのは、お札だった。


無数のお札が板に貼り付けられている。


それはかなり古いものに見えたけれど、決してはがれないように頑丈に張ってあることがわかった。