「祐次くんはくるみからなにか聞いているかい?」


その質問に祐次は一瞬くるみへ視線を向けた。


くるみは左右に首をふる。


「いえ、なにも」


「そうか、じゃあ説明する必要があるね」


父親はそう言うと、1度大きく息を吸い込んだ。


母親が祐次に暖かなお茶を用意してきた。


「実は隣の家はね……」


父親は静かに、過去の事件を話し始めたのだった。