影たちは自分たちのことをゲームのキャラクターではなく、イケニエとして認識していたみたいだ。


どちらにしても、自分たちからすれば大差はないけれど。


「イケニエはどうやって決められるんだ?」


大輔の質問にも明宏が答えた。


「あの地蔵が見えるかどうか。つまり、佳奈みたいなお守りや、三福寺にまつわるなにかを持っているかどうかだと思う」


「三福寺はすでになくなってるから、次のイケニエなんて見つからないなじゃないの?」


春香が青ざめて言った。


その可能性はゼロじゃないかもしれない。


三福寺にまつわるものを持つ者なんて、そう多いとは思えない。


ご近所さんだった人たちなら、まだなにかを持っているかもしれないけれど。


「それじゃあ、いつまでも私達がイケニエで変わらないってこと? そんなことになった、ここにいる全員の首が……!」


春香が叫ぶように言ってそのまま両手で顔を覆った。