「私、影に向かってこんなこといつまで続けるつもり? って怒鳴ってやったの。ガイコツを見つけてあげたのに全然終わる気配がなくて、腹が立ってたし」


春香は昨日の夜の出来事を思い出しながら言った。


体は金縛りにあって動けないし、だけど意識だけはハッキリとした中での出来事だった。


首を切られる前に渾身の力を込めて質問したのだ。


「影はなんだって?」


明宏が身を乗り出して聞く。


「次のイケニエが決まるまで続く。そう言ってた」


「イケニエ?」


佳奈は眉間にシワを寄せる。


「僕たちのことだ」


明宏がすぐに答えた。


地蔵の首になるためのイケニエ。