言われてみてばたしかにそれによく似ているマークだ。


真ん中に大きく漢字でなにかが書かれていて、丸い図形がその上に描かれてる。


「もしかしてこの地蔵を保有している神社かお寺のマークなんじゃないかな?」


春香の声が大きくなる、


けれど佳奈には聞こえていなかった。


その御朱印帳のようなマークに目が釘付けになってしまい、動くことができない。


「それならこれと同じマークを扱っている神社へ行けばいいんだ!」


明宏が大きなヒントを見つけたかのように喜んでいる。


それでも佳奈はただ呆然と立ち尽くしていた。


だって、だって、地蔵の背中に彫られているそのマークは……。


「私、持ってる」


ポツリと呟いたその言葉を誰もが聞き逃してしまいそうだった。


「なんだって?」


聞き返したのは大輔だ。