「ねぇ、これなに?」


合計20分ほど草刈りをしたところで春香が言った。


腰まであった草は足首の長さになっていて、地蔵の全貌が見え始めていた。


春香の声が手を止めるキッカケとなり、他の3人が近づいてくる。


一様に疲れた顔をしている。


「マークか?」


地蔵の背中をかがんで見てみると、そこに見たことのないマークが掘られていることに気がついた。


5体とも、全部に同じマークがついている。


「これってどこかで見たことがあるな」


明宏が顎に触れて眉間にシワを寄せる。


「そうだ、御朱印帳にかかれているマークに似てるんだ」


ハッと息を飲んで声を上げる。


最近流行している御朱印帳は、神社やお寺を訪ねたときに書いてもらうものだ。