大輔に指摘されて、今度は明宏が目を見開いた。


「それはただの偶然だよ。噂に聞いていて実際その場に行ったのはあの時が初めてだったし」


早口になって言い訳をする当たりが怪しいと、慎也と大輔が2人して明宏を睨む。


「仲間割れはよしてよ」


美樹が呆れ顔で仲裁に入った。


こんなところで喧嘩を始められたら、ちっとも話し合いは進まない。


「それなら、地蔵のところまで行こうよ」


佳奈は立ち上がって提案した。


険悪なムードになった男子3人が視線を向ける。


「今回のことと地蔵が関係しているなら、きっとなにかヒントも見つかるよ」


佳奈の言葉に喧嘩しかけていた3人は渋々といった様子で頷いたのだった。