「つかれたなあ……」


今日はここへ来てから色んな人に会って、緊張しっぱなしだったもん。

私はベッドに寝転んでみた。

スプリングが沈みこみ、体を心地よく受け入れてくれる。

家のベッドよりも寝心地いいかも。


『お前が、ほしい』


ふいに刹那くんの言葉がよみがえって、体がボッと火がついたように熱くなった。

一体……どういう意味だったんだろう。

ゴロンとベッドの上を転がって熱を冷まそうとするけど、どんどん熱は上昇して。

手を胸に当てると、鼓動がはっきりわかるほどドキドキしている。

ドキドキしたのは、刹那くんが類まれな美少年だったからだ。

キレイな蘭子さんを見てドキドキしたのと同じだよね。


「ああ……眠い」


そんなことを考えていたら急にまぶたが重くなって、私はいつの間にかベッドで寝てしまった。