軽くテンパっていると、さっきよりも大きな声で笑っているのが聞こえてくる。


『今の寧々すごく想像できる。きっと顔は真っ赤だな』


なんていうものだから、どこかで見られてるんじゃないかってキョロキョロしちゃう。

当たり、大当たり!
刹那くんには、私のことなんでもお見通しなんだな。

頬に手を当てて、熱をさます。


『で、する? しない? 俺とデート』


そんなの……。


「し、しますっ……!」


するに決まってるよ。

デート……というにはおこがましいけど、刹那くんと出かけられるなんて、この夏最大のビッグイベントだ。

それから待ち合わせ場所と時間を決めて電話を切ったけど。


「ひゃーっ、どうしようっ」


刹那くんとデートだなんて。

何を着ていこう、どんな髪型にしよう、メイクはどうする?

時計とにらめっこしながら準備に取り掛かった。