そう言うと、電話越しに聞こえてきたのは笑い声。

「寧々らしいな」ってつぶやいたあと、


『そんなのいいって。俺がもっと楽しい予定入れてやるよ』

「ん?」

『昼頃さ、南野駅まで出てこない?』


突然のお誘いに、思わず電話越しに無言になってしまう。

南野駅というのは、ここの最寄り駅。さっき、行ってみようかなあと思案していたところだ。


『おーい、聞いてる?』

「あっ、ごめんね。聞いてるよっ」


電話で無言になったらこまるよね。

あわてて返事をすると、またとんでもない言葉が返って来た。


『俺とデートしようよ』


で、デート!?
そんな単語に、一気にぶわっと熱くなる体。


『どう?』

「えっ、あ、あの……」