「えーーー、ここは俺も帰らないっていうべき?」


いつものように便乗しようとする椿くんは、楽しくてしょうがないって顔。
悪趣味だなあ。


「真面目な話、どんな理由で帰宅拒否すんの? 絶対無理でしょー」


椿くんに言われ、小さく舌打ちする刹那くんはムリってわかってそう。

だよね。


「今年は、8月10日から16日までは最低でも帰らなきゃいけないね」


カレンダーを見ながら取り仕切る椿くん。


「早くても戻ってくるのは17日か。じゃあ、そこはみんな守ろうぜ」


琉夏くんの提案に、刹那くんと白樺くんは渋々うなずいている。

なんだか、牽制し合っているように見える。

お互いの様子をうかがっているというか……。


「じゃあ、ちゃんと17日に帰ってくること、抜け駆け禁止な!」


椿くんは元気よく言う。

抜け駆けって。

あはは、そんなこと言わなくても大丈夫だってば。