白樺くんも含めた5人でのルームシェアから数日が経ち。
最初はどうなることかと思ったけれど、少しずつ慣れてきた。
蘭子さんも言ってた通り、刹那くんと白樺くんは仲が悪いみたいでほとんど会話をしない。
兄弟が結婚して親戚になるって、いろいろ複雑なのかも。
私にはちょっとわからない世界だし、そんな二人を静かに見守ることしかできない。
といっても、白樺くんは終始無言だから、会話に新たな関係性はないんだけれど。
でも、やっぱり存在感だけは半端ない。
「寧々ちゃん、夏休みは家に帰るの?」
夕飯どき。椿くんの問いかけに私は首を振った。
「私は家に誰もいないからここで過ごすよ」
家には誰もいないし、水道や電気が止まっていて生活環境も整ってないから帰れないんだ。
「そっかー、ご両親海外だったよね」
「そうなの。寂しいけどしょうがないよね」