刹那くんは、白樺くんがどちらに投票するかわからなかったけど、投票を促したってこと?


「俺が琴宮に投票してたらどうしてたんだよな。バカじゃねえの」


白樺くんは、フッ……と、笑いを含みながら言ったけど、


「それでも、白樺くんは私に投票してくれたよね」

「……え?」

「だから、やっぱりありがとうには変わりはないよ」


あの2票があったから、私は救われたの。

心の底からお礼を言うと、白樺くんの顔がほんのり赤くなったように見えた。


「……マジでお前、そういう無自覚なとこが……」


軽く睨むように言われて、ひいっ……って肩を縮める。


「つうか、本気だからな」


キリリとした表情に戻して。


「え?」

「お前に立候補するって言ったこと」


またその話……。


「そ、それはぁ……」


苦笑いしながら立ち上がると、追いかけるように彼も立ち上がって。


「アイツのこと、好きなのか?」

「……っ」