「はあ……緊張したぁ……」


それから約2時間後。

無事に白凰学園に到着して、たった今、学園長に挨拶をしてきたところ。


門をくぐった瞬間、ここはお城かと見間違えるかのような造りに圧倒された。

入ってすぐの広場には丸くて大きな池があり、中央にそびえたつ像の口からはマーライオンのように水が流れ出ていたし、

校舎はヨーロッパを思わせるような建築構造で、まるで別世界に飛び込んでしまったかのような錯覚すらした。

この学校、もしかしてお金持ち学校!?

私の家は、いたって普通の家庭なんだけど……。こんなところに通わせてもらって大丈夫なのかなあ。

校舎内ももちろん高級仕様。

校内の移動はエスカレーター。床は一面、赤茶色のカーペットが敷かれホテルのような内装で、日本の高校だとはとても思えない。


どんな子たちが通ってるの?

私、なじめるかな。

浮いちゃったらどうしよう。


そんな不安を早くも抱きながら、昇降口に向かう途中。

歴代学園長の銅像が飾ってあるのを見つけた。