けれど、そんな平穏も長くは続かなかった。 「大変大変っ!」 その日、椿くんは騒ぎ立てながら寮に帰って来た。 「うるせえなあ」 今日はめずらしく琉夏くんもリビングに居る。 遊ぶ女の子がいなかったみたいだ。 迷惑そうな顔をしながら、ソファに体を横たえたままテレビの音量を上げる──と。 「これ見ろって!」 有無をいわさずテレビをピッと消した椿くん。代わりに1枚の紙を突き付ける。