三つ子ほどではないにしてもそっち系の知識と技術があったらしく、2人は何とかデータを取り出すことは出来たそうだ。

 でも、そうしていざ部屋を出ようとしたとき。


「キョウはあくまでもデジタルだから、物理的には何もできねぇと思って油断した」

「だいたいあのドア、普通の木製のものにしか見えねぇっての!」

 木製のドアと言うと、あの部屋の出入り口だろう。


「ギンさんが部屋を出ようとする前に勝手に閉まって、ロックがかかった。しかも何しても開かねぇ」

「それに、チラッとしか見えなかったけど……中に協力者がいたみたいなんだ」

「協力者って――」

 呟き、すぐにピンとくる。

 キョウに協力する人物なんて1人しかいない。


「まさか、金多兄さん……?」

 眞白が信じたくないとでも言うような表情で呟く。

 でも、それ以外には考えられない。


「ドアの向こうからギンさんにとにかくデータを持っていけって言われたから来たが……心配だ」

「そのあとすぐにうめき声みたいなのが聞こえたからな。何されたかは分からねぇけど、多分状況から考えても自力で出て来れるとは思えねぇよ」

 最後に悔しげに岸本くんがそう口にする。