左腕に点滴の針が刺されて透明な液体が体内へと流れ込んでくる。


しばらくすると体の痛みは和らいできて、同時に頭がフワフワと浮いているような状態になった。


痛くない、


痒くもない。


なにも感じない。


意識があるようなないような、ぼーっとした白い時間だけが流れていく。


その間何度も両親やユナが来ては話しかけてくれていた気がする。


だけどシュンヤはそのどれにも返事をすることができなかったのだった。