突然視界が高くなり、手足がぐんと伸びた気がした。


ノリコが唖然とした表情で自分を見上げている。


隣にいるチナは目に涙を浮かべているし、タカヒロは顔をそむけている。


そしてその隣に、自分の姿を見つけた。


女子と同じくらいの身長で長い前髪で顔を隠している、根暗な自分。


白くてヒョロリとした手足は頼りなくて、女子に人気がないのも頷けることだった。


「すげぇな。やっぱり背が高いんだな」


呟くと声までヒデアキになっていて驚いた。


これじゃ自分がマサシだと言っても誰も信用しないだろう。


「入れ替わっているのか?」


タカヒロが恐る恐るマサシの手に触れた。


マサシはそれを握り返してみせる。