約束の日はとてもいい天気だった。


空には雲ひとつない日本晴れだ。


セイコはこの日精一杯のオシャレをしていた。


持っていた服の中で一番可愛いものを来てきた。


青いワンピースの上に白いカーディガンを羽織り、頭には麦わら帽子をかぶっている。


足元は白いサンダルで、ヒールがないから歩きやすいはずだった。


「セイコ!」


自分を呼ぶ声がして振り向くと、私服姿のユウキが走ってやってきた。


ジーンズとTシャツ、首元には小さな十字架のネックレスが揺れている。


その姿に心臓がどくんっと跳ねた。


私服姿のユウキは制服のときとは違ってとてもかっこよかった。


「ごめん、遅刻した」


そう言いながら走ってきても、まだ約束の5分前だ。


セイコが楽しみ過ぎて早く到着してしまったのだ。