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自宅に帰って玄関を開けた途端、お母さんが仁王立ちをしていた。


「た、ただいま」


お母さんの威圧的な雰囲気に圧倒されつつ言うと「今日、先生から連絡が来たわよ。途中からいなくなったって」と、早口で言われてしまった。


しまったと顔をしかめても、もう遅い。


途中で授業を抜け出して戻ってこなかったミハルを、先生も心配したんだろう。


「ちょっと、お腹が痛かったの」


「それならどうして保健室に行ったり、早退したりしなかったの?」


そう言われて黙り込む。


本当のことなんて言えるわけがなかった。


「ちゃんと答えなさい!」


怒鳴られて、肩がビクリと跳ね上がった。


同時に悔しさを感じて下唇を噛む。


夢の中ではお母さんだって私の味方だったのに。


だけど現実ではこんな風に怒られてしまう。


だから嫌なんだ。


ミハルはなにも答えないまま、お母さんの隣をすり抜けて階段を駆け上がっていったのだった。