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休憩時間中トイレに立った私は洗面台の前でジッと自分の顔を見つめていた。


血色の良い頬に手を添えて、微笑んでみる。


鏡の中自分も微笑んでいる。


今のところ、今日はとてもうまくいっている。


だから鏡の中の自分も自信が持てているようで、その笑顔はとても自然なものだった。


今度は頬に当てていた手を自分の胸に当ててみた。


心臓がトクトクと音を立てて動いている。

それはとても心地良いリズムで、新生活にほどよく緊張し、ほどよく楽しんでいるのが伝わってくるようだった。


「雪ちゃん、いい子だなぁ」




そう呟いたときだった。


数人の女子生徒たちがトイレの中に入ってきたので私は慌てて洗面台の前から離れた。


いつまでもジッと鏡を見ていては変な子だと思われるかもしれない。


女の子たちの横を通り過ぎてトイレから出ようとしたときだった。


「知奈ちゃん」


と声をかけられて足を止めた。


女の子にしてはハスキーで少し低い声をしている。