甘い毒に溺れ堕ちて

占部(うらべ)家の朝は早く、慌ただしい。


──ピピッ、ピピッ、ピピピッ。


鳥のさえずりに心地良さを感じていたら、枕元の目覚まし時計が鳴り出した。


あぁ、もう朝か……。


布団にくるまりたいのを我慢し、制服に着替えて洗面所へ。顔を洗い、髪を整えてリビングに入る。



「おはよう」

「あぁやっと来た。ちょっと卵出して」

「何個?」

「あるだけ出して。あとベーコンと冷凍の唐揚げも」

「塩と醤油があるけど、どっち?」

「どっちもいいから。とりあえずあるやつ全部出して」



キッチンを忙しなく動き回る母。

少し寝過ごしたのだろうか、通勤服にエプロンではなく、パジャマのまま作業している。



「もうすぐご飯炊けるから。その間にカーテン開けて新聞取ってきて」

「はーい」

「あと神棚の水も替え……今何時?」

「6時よんじゅう……今50分になった」

「じゃあ全部終わったらふうたち起こしてきて」