甘い毒に溺れ堕ちて

スワイプしていたら、藍くんの写真が現れた。

画面下部のホームボタンを押し、待ち受け画面に戻る。



「えーと……じゃあ私はこれで」

「待って」



立ち上がった瞬間、腕を掴まれた。

洗い場で詰め寄られた時と同じ、鋭く黒い眼光が、私を射抜くように見据えている。



「どこ行くの?」

「いや、別に……」

「逃げたらどうなるかわかってるよね?」



久々の命令、というより、ほぼ脅し文句。

当然ながら、従う以外の選択肢はない。

おとなしく椅子に座り直し、険しい顔を浮かべる藍くんと向かい合わせになる。



「真彩ちゃん」

「はい」

「俺はいつから占部家の仲間になったのかな?」

「……先週の月曜です」



撮った日付を答えたら、「図書室の時か……」と悔しそうに顔を歪めた。



「なんで撮ったの」

「っ、か、可愛かったからです」