甘い毒に溺れ堕ちて

湿気のこもる体育館にて。

やまもっちゃんこと山本先生の説明を聞きながら、体育座りをする藍くんの後ろ姿を盗み見る。


今度こそ、今度こそと、休み時間が来るたびに、自分に活を入れて奮い立たせてきた。

けど、いざ顔を見ると緊張で固まってしまって……。


また、あっちもあっちで、授業後はすぐに机に突っ伏しているため、なかなかタイミングが合わず……とうとう木曜日が来てしまった。


説明が終わり、バドミントンのラケットとシャトルを持って、ステージの近くに移動した。



「それじゃいくよー」

「はいよっ!」



シャトルを打ち、茉耶と2人でラリーを行う。


今日の体育はバドミントン。

期末試験は来週なのだが、来月は三者面談が控えているのもあって短縮授業が多いため、今日のうちに実技テストをするとのこと。



「よし、そろそろスマッシュに移ろうか」

「OK!」



ラケットを構えた茉耶にシャトルを高く打ち上げた。

しかし、距離感が掴めず、シャトルは茉耶の頭上を大きく通過。

シャトルを追って尻もちをついた茉耶に「ごめん!」と手を合わせて謝る。