甘い毒に溺れ堕ちて

相談する前から既に答えは出ていた。


対象相手は違えど、幼い頃から何度も、痛いくらいに経験してきたこの感覚。


でも、口に出したら自分の弱さを認めてしまいそうだったから。あえて言葉にはせず、最終判断を茉耶に委ねた。


最近また顔色悪いからね。ただ疲れてるだけだと思うよ?

そう返されると期待していたら……まさか直球で射抜いてくるとはね。


窓の外に視線を移し、フッと小さく自嘲気味に笑みをこぼす。


あんなに面倒くさいと突っぱねてたくせに。

いざ話しかけられなくなったら寂しいなんて、自分勝手すぎて嫌気が差す。


だる絡みされて、呼び出されて、命令に従って。


半ば奴隷状態のようだった日々が恋しいなんて──どうかしている。



「茉耶から見たら、やっぱりいつも通り?」

「そうだね。休み時間もずっと寝てるし」

「そっか……」

「でもたまに、こっそり片目開けてまあちゃんのことチラチラ見てるよ」

「え」