甘い毒に溺れ堕ちて

「ごめん。いきなり」

「ううん。大丈夫だよ〜」



翌週の月曜日。お昼ご飯を食べた私は茉耶を廊下に連れ出した。

雨粒が滴り落ちる窓際で向かい合わせになり、1度深呼吸を挟んだのち、話を切り出す。



「……で、話、なんだけど」

「どうしたの?」

「ちょっと、聞きたいことがあって。……藍くんのことなんだけど」

「成見くんの?」

「……うん」



オウム返しする茉耶に少し沈黙を置いて頷いた。



「席替えしてから、よく2人で話してるじゃない? どんな話してるのかなって」

「世間話とか、テレビの話とか、お洋服の話とか。最近だと勉強の話が多いかなぁ。このへんテストに出そうだよね〜、ノートどんなふうに取ってる〜? みたいな」

「そっか。……私については、何も聞いてない?」



再度問いかけると、「え?」とキョトン顔。つぶらな瞳がさらに大きく見開かれる。



「まあちゃんの話?」

「うん。真彩ちゃんがうんぬんかんぬん〜とか、何か言ってなかった?」

「いやぁ……ここ最近は特に何も聞いてないけど……」