しかし、次の瞬間にはいぶかしそうな表情に変わっていた。


「信じられないかもしれませんが、私にはエミさんの姿が見えていて――」


「帰って!!」


最後まで言う前に怒鳴られてしまった。


さっきよりもすごい剣幕に怜美は押し黙ってしまう。


「エミが死んだときもあんなみたいなのが沢山来たわ。霊媒師だとかなんだとか知らないけれど、そうやってお金をだましとろうとした!!」


「お、お金なんていりません! 私は本当に!」


「聞きたくない!」


無理矢理エミの部屋から出され、階段を転がりそうになりながら下りていく。


「本当なんです! 話を聞いて!」


玄関までやってきて怜美は両足を踏ん張った。


このまま追い返されたりしたらここまできた意味がない。


エミの心残りを晴らしたことにはならない。


「私のお尻には星型のほくろがある!」


両足の踏ん張りが限界に来たとき、エミが叫んだ。


怜美がハッとして顔をあげると、エミは顔を真っ赤にしている。


エミの一番の秘密だったみだいた。


「エミさんのおしりには星型のほくろ!」


怜美が叫んだ瞬間、母親が唖然とした表情を浮かべた。


怜美は力が抜けてその場に座り込む。


「……信じてもらえましたか?」