『おばあちゃん?』


返事がなく、眠っているのだろうかと思って寝室を覗いてみた時……。


暗い部屋の中でギッギッと木のきしむ音が聞こえて来た。


それはむき出しの梁がある辺りから聞こえて来て、あたしは手探りで電気のスイッチを探した。


『おばあちゃん? なにしてるの?』


そう聞いてスイッチを押した瞬間……お土産の苺大福を落としてしまっていた。


梁から下がったロープ。


その先は輪っかになっていて、祖母の体がぶら下がっていたのだ。


体は小さく揺れていて、祖母の足元には糞尿が散らばっている。


開かれた口からは舌がだらしなく垂れ下がり、カエルのように胃がせり出してきている。


一瞬、頭の中は真っ白になった。


目の前にいる人物が祖母だとも思えなかった。


なにかの悪い冗談だ。


そう思った次の瞬間、自分の積極が家中にこだましていたのだった。