あたしはその足で一樹を追って廃墟へと向かった。


重行がどうなったか確認するためだ。


初日にあれだけ殴りつけておいたから、きっと田中先生のときよりも早く死ぬはずだ。


その瞬間を確認しておきたかった。


廃墟に到着して3階へ向かうと、重行を監禁している部屋から男の声が聞こえてきた。


一樹と重行がなにか会話をしているんだろうか。


そう思ったが近づくにつれて、会話ではなくて泣き声だということがわかった。


ドアを開けて中に入った瞬間、床に座り込んでうなだれている一樹の姿が視界に入った。


そして、その向こう側で立ったまま首だけたれている重行。


妙な雰囲気に近づいてみると、重行の肌がやけに白いことに気がついた。


「重行?」


声をかけてみるが反応はない。


重行の顔をしたから覗き込んでみると、両目がカッと見開かれた状態だった。


「ヒッ!」


さすがに悲鳴を上げて飛びのいていた。


まさかこんなに早く死ぬとは思わなかった。


最初に暴行したとき、出血させすぎていたのかもしれない。