更に気味悪さを感じていたけれど、途中で気がついた。


一樹だけはアプリの存在を知っているから、先生の死亡をあたしを結びつけて考えているのだろう。


昨日一樹の耳元で『順番に殺してあげる』とささやいたことも思い出した。


その第一の被害者が先生だと気がついたのだ。


クラス内の一樹の態度は周囲の生徒たちに感染していく。


あたしが望んだわけでもないのに、みんながあたしのパシリになりたがっているように見えて滑稽だった。


そんな中、蕾は重行が全然登校してこないことを心配して始めていた。


ホームルーム開始まであと1分を切っている。


「どうしたんだろう」


そう呟いて首をかしげる蕾に、冗談半分で「どこかで死んでるんじゃない?」と、

答える。


その瞬間一樹が体を震わせた。


大きな一樹が青ざめているのを見て、みんなが不安そうな表情になる。


「まさかぁ、亜里沙ってば面白いこと言うんだから」


蕾はそんな変化に気がつかず、声を上げて笑ったのだった。