「最近の咲良って、考えごとしているときが多いよね。

なんかいつもぼうっとしちゃってさ」


「えっ、そんなことないと思うけど」


「そんなことあるよ。

絶対にある。

そうだ。

私がさ、今から咲良の悩みごとを当ててあげようか?」


優子はそう言って、私の顔をのぞき込んだ。


私はそんな優子にドキリとしていた。


どんなに隠しごとをしていても、親友にはそのことがバレてしまうのだろうか?


私は今、浜中美澄の幽霊のことで悩んでいて……。


「咲良の悩みって、拓実君のことでしょ。

そうだよねぇ。

拓実君さ、木村菜々子と仲良すきだもんね。

あんなの見たらさ、純情で拓実君一筋の咲良は心が痛いよね」


私は優子の言葉に少しだけホッとしていた。


優子には私の中にいる浜中美澄のことがバレていない。


優子は今でも私のことを、以前と変わらない私だと思っているのだ。