1階、校舎の一番奥の自習室。
人気がなくて、ここはいつも誰もいなかった、去年は。
今年は約1名、真面目なフリをしている奴がいるんだけど。
「見つけた」
部屋の一番奥、部屋の角、仕切り付きの机が並んで入り口からは死角になる、そこに。
「琥珀」
彼女はいた。
「……学校で会いに来ないでよ。ユキ人気なんだから、勘違いされたら困る」
「だから、自習室にいるの狙ってきたんだよ?」
「……ここいるの、知ってたの?」
「毎日来てるみたいだからね、さすがに」
黒く髪を染め直した琥珀は口を尖らせてイヤホンを外す。
髪は少し傷んで、触ると少しきしつく。
「何聞いてたの?」
「なんでもいいよ」
「聞きたい」
俺は琥珀の手からイヤホンをさらうと耳につけてみる。
「ん〜……誰?」
「アイドル」
「あーね、あー、あれでしょ?芸能コースにいる子でしょ?」
「そう」
人気がなくて、ここはいつも誰もいなかった、去年は。
今年は約1名、真面目なフリをしている奴がいるんだけど。
「見つけた」
部屋の一番奥、部屋の角、仕切り付きの机が並んで入り口からは死角になる、そこに。
「琥珀」
彼女はいた。
「……学校で会いに来ないでよ。ユキ人気なんだから、勘違いされたら困る」
「だから、自習室にいるの狙ってきたんだよ?」
「……ここいるの、知ってたの?」
「毎日来てるみたいだからね、さすがに」
黒く髪を染め直した琥珀は口を尖らせてイヤホンを外す。
髪は少し傷んで、触ると少しきしつく。
「何聞いてたの?」
「なんでもいいよ」
「聞きたい」
俺は琥珀の手からイヤホンをさらうと耳につけてみる。
「ん〜……誰?」
「アイドル」
「あーね、あー、あれでしょ?芸能コースにいる子でしょ?」
「そう」