ただ、そういうユーリだからこそ、対面させることが心配なのだ。

ルイスが異性としてユーリに惹かれていたら……
ルイスがユーリを妃にと望んだら……

百歩譲って、側室としてならば認められるかもしれない。いや、それでもハードルは高いと思うが。
身分、出自になんの保証もないユーリを、王妃に仕立て上げる可能性は、おそらくほとんどない。娘を妃にと、血眼になっている貴族らも黙ってはいないだろう。

そもそも、ユーリ本人がどう思うのか。

「はあ……」

自分の思い過ごしであって欲しい。単なる思い込みで済んでくれればよいのだが……
とりあえず、彼女の様子を聞き取ろうと、調理場のヒューバートの元へ向かった。