病んでる僕と最強の勇者たち

「闇の魔王、ダーギルは突然、ベルミータ国にやってきました。

そしてベルミータ国の北にある大きなお城を占拠し、ベルミータ国を支配し始めたのです。

闇の魔王、ダーギルの姿を見た者はまだ誰もいません。

ダーギルの正体は、今も闇の中に包まれています」



シェーラの話を聞いて、僕にもダーギルという魔法使いのことを少しだけ理解した。



でも、闇の魔王、ダーギルはその名の通り、正体が闇に包まれていて、正確な情報が見えてこない。



そのことが、僕の心を不安にさせていた。



「それと、ダーギルが支配している北のお城には私の姉のルエラがいるはずなんです。

私は姉が無事だと信じていますが、ダーギルにどんな目にあわされているのかと思うと心配で……」



シェーラはそう言うと、視線を下に向け、悲しげな顔を見せていた。



だけどリリーはそんなシェーラの気持ちをお構いなしに、自分の心に引っかかったことをシェーラに聞いていた。



「ねぇ、お姫様。

そのルエラさんって、かわいいの?」



僕はリリーのその質問が強力な火力を含んでいる地雷だとすぐにわかった。



でも、シェーラはその地雷に気づかず、その地雷を思いっきり踏んでしまった。



「姉のルエラは私と似ているとよく言われますが、私は姉の方がきれいだと思っています。

姉のルエラはベルミータ国の宝石と言われているくらいの美人なんですよ。

私もそんな姉を持てて、うれしいです」