病んでる僕と最強の勇者たち

「ブライアンが魔法で倒れた……。

何だったんだ?

リリーのあの魔法って……」



たとえ不意打ちだったとはいえ、一撃で最強の勇者、ブライアンを気絶させたリリーの魔法の威力に、僕は驚いていた。



それと同時に、あんなにかわいらしいリリーも、怒らせるとめちゃくちゃ怖いということを僕は学習していた。



「勇者様、大丈夫ですか?」



シェーラが床に倒れたブライアンを心配していると、リリーが気絶しているブライアンを抱き抱えながら、シェーラにこう言った。



「お姫様に大事なことを教えてあげるね。

ブライアンはとってもカッコつけで、スケベで、浮気性なんだよ。

もしも、こんなどうしようもないブライアンをお姫様が好きになったら、一生後悔するんだからね。

だから、リリーがブライアンの遊び相手になってあげてるの。

でも、リリーはブライアンが好きなわけじゃないからね」



リリーの支離滅裂な会話に僕は苦笑いをしながら、リリーは本当にブライアンのことが好きなんだろうなぁと思った。



でも、そんなリリーの愛情表現は異常なくらいに過激で、普通の人ならリリーの愛を受け止めることはできないだろう。