病んでる僕と最強の勇者たち

「ブライアンは今、シェーラにデレデレかもしれないけど、それでもやっぱり僕たちの頼れるリーダーだよ。

まぁ、ブライアンのあんな態度も大目に見ていいんじゃないかなぁって僕は思うよ」



「明彦君は、わかってない！」



リリーは怒りながら僕に言った。



「ブライアンはスケベで、女たらしで、浮気性なダメなヤツなんだよ！

本当に最低なヤツだから、今からこらしめないとダメなんだよ！」



ブライアンはリリーが怒っているのも気づかず、機嫌良さそうに手振り身ぶりを混ぜてシェーラとずっと話しを続けていた。



「オレが闇の魔王、ダーギルを倒し、ベルミータ国に日の光を取り戻したら、一緒に馬に乗って草原を走りましょう。

シェーラ姫には美しい草原の風景がよく似合う。

オレがそれを保証します」



ブライアンの話を聞いているうちに、リリーが本気で怒り出して、ブライアンに近づいていった。



僕がそんなリリーをひき止めようとすると、リリーは僕の手を振り切り、少しも自分の意思を変えようとはしなかった。



僕はそんか自制心をなくしたリリーに嫌な予感を感じながら、そんなリリーの後ろ姿を何も言えずに見つめていた。