病んでる僕と最強の勇者たち

僕がひげ面の盗賊の会心の一撃をくらった後に、何事もなかったようにひげ面の盗賊をにらみつけると、ひげ面の盗賊は驚いた顔で後ずさりを始めた。



その様子を見た僕は自分が圧倒的に有利な立場にいることに気づき、心の中から恐怖心が薄れていくのを感じていた。



(僕にはこのひげ面の盗賊の攻撃がきかない。

こいつの攻撃をいくら受けてもノーダメージだ。

だったら強気に攻めろ。

僕は最強の賢者だ!)



「おい、ウソだろ……。

お前はオレのこん棒の一撃をまともにくらったはずだよな」



今度はひげ面の盗賊が僕に怯える番だった。



ひげ面の盗賊も、僕と自分のレベルの違いには気づいている。



そして真剣に戦っても、僕には勝てないことだって……。



僕はそんなひげ面の盗賊を倒すのに、魔法を使ってみようと考えた。



魔法の力で強い敵を倒すのが、僕が憧れてる夢のファンタジーだ。



僕は右手に魔力をためて、ひげ面の盗賊をにらんでいた。