「この僕が最強の勇者たちとパーティを?

冗談でしょ、女神様。

だって僕は友達すらいないのに……」



フローラはさっき死んで、ここに来たばかりの少年のネガティブさに、少しの驚きたくさんの苛立ちを感じていた。



この少年の心の闇は深すぎた。



でもフローラは、一度口にした約束を意地でも守るために、この少年に強い言葉で言っていた。



「キミは現世でダメだったことを気にしなくてもいいんだよ。

キミは生まれ変わるんだから。

私の能力で最強の賢者に転生しちゃうんだから!」



僕はフローラのものすごい剣幕に押されて、まだフローラの言葉を信用してなかったけど、さすがに言葉を返せなかった。



フローラは僕のそんな気持ちを見透かしているかのように、僕に顔を近づけて、僕の顔をのぞき込んでた。



「ねぇ、キミ。

名前は?」



「僕の名前は但野明彦。

人に自慢できることが何もない十五歳の高校一年生で……」



「キミの話には自然にネガティブワードが入っちゃうのね

それってちょっとヤバいことだよ」



「ええ……、まぁ……。

僕の心は長い間の劣等感で、深く深く病んでますから……」



そう言って苦笑いした僕をフローラはあきれた顔で見つめていた。