病んでる僕と最強の勇者たち

「そうだよ、明彦君。

リリーたちはきっとまた会えるよ。

リリーたちはまたこの最強のパーティで、またどこかの国を救いにいくんだよ」



リリーはそう言って、黒い三角帽を被ったかわいらしい容姿で、いつものように小首を傾げて微笑んだ。



「どこかの国が窮地に陥ったとき、私たちはきっと、もう一度、パーティを組むだろう。

そのときはまた共に冒険の旅に出かけよう。

私たちはいつまでも変わらぬ仲間だ」



マギーはまっすぐに僕を見つめ、いつまでも僕が仲間だと信じてくれていた。



僕はそのとき、胸まで体が消えていた。



僕はもうすぐこの異世界から姿を消すだろう。



僕は、残されている最後の時間で、僕の思いをみんなに告げた。



「みんな、ありがとう。

僕はみんなと出会えて最高に幸せだよ。

僕はきっともう一度、みんなの元に帰ってくる。

そのときは、また僕のことを仲間として受け入れて欲しい。

僕はまたみんなと一緒に冒険がしたい。

そのときまで……。

さよなら……」



僕がみんなに言いたいことを言い終えたとき、僕の体はこの異世界から消え去った。



だけど僕はこの異世界で起きた出来事を絶対に忘れない。



ベルミータ国の美しい景色。



ベルミータ国の優しい人たち。



美人姉妹のシェーラ姫、ルキア姫。



そして僕の大切な仲間たち。



最強の勇者、ブライアン・シェリー。



最強の、魔法使い、リリー・ネルソン。



最強の剣士、マギー・フォー。



きっとみんなは僕の心の中で、永遠に生き続けている。