「明彦、リリーとマギーは?」



意識を取り戻したばかりのブライアンは、真っ先に仲間たちの心配をしていた。



僕はそんな仲間思いのブライアンに、微笑みながら答えていた。



「リリーとマギーは、闇の魔王、ダーギルと戦っているよ!

二人とも、ものすごい強さで、闇の魔王、ダーギルと戦っているよ!」



「明彦、オレはもう大丈夫だ。

回復薬のおかげで、だいぶ体力が回復したから。

後は自分で自分に回復魔法をかけて、オレはまた戦場に戻っていく。

だから明彦は、リリーとマギーと共に、ダーギルと戦ってくれ。

オレたちはダーギルを倒して、ベルミータ国の英雄になろう。

ベルミータ国の伝説になろう。

勝利まで、あと少しだ。

頑張ろうぜ、明彦」



僕はブライアンのその言葉を聞くと、涙を拭って立ち上がり、戦場に目を向けた。



すると、リリーとマギーは、ダーギルの分身たちを相手に圧倒的な強さで戦っていた。



僕たちの勝利まであと少し。



そのとき僕たちは、ベルミータ国の英雄になる。



僕は剣を片手にダーギルの分身へと走り出した。