しばしの休息を済ませた僕たちは、再び北のお城を目指して歩き出し、ついに北のお城にたどり着いた。



僕はシェーラがいたお城よりも遥かに大きなそのお城を見上げ、このお城のどこかにいるはずのダーギルとルキアのことを思った。



闇の魔王、ダーギルはどれほどの強敵なのか?



囚われの身のルキア姫は本当に無事なのか?



いろいろ考えれば、不安が尽きることは決してない。



でも僕たちはそのすべての不安を振り払って、この北のお城に入っていかなくてはならなかった。



それは、闇の魔王、ダーギルを倒すために。



ルキアやベルミータ国の人たちを救うために。



僕たちの先頭に立っていたブライアンが、僕たちの方を振り返り、僕たちにこう言った。



「いよいよ、北のお城に突入するぜ。

オレは正々堂々とお城の正面からこのお城に突入しようと思う。

みんなもそれでいいか?」



ブライアンのその問いかけにマギーが真っ先にこう答えた。



「私たちは逃げも隠れもしない。

お城に突入するならば、もちろんお城の正面からだ」



僕はマギーらしいその答えに微笑んだ。



マギーは姑息な小細工をもっとも嫌う。



僕はマギーのそんな性格が大好きだ。