ぞろぞろと現れるミイラ男の数に僕は正直、ビビっていた。



きっと僕が好きだったアニメの主人公たちだったら、カッコ良くこのミイラ男たちを斬っていくのだろうが、僕はそんなカッコ良いアニメの主人公たちとは違った。



僕はついさっきまで、冴えない高校一年生の但野明彦だった男だ。



人は簡単には変われないことを僕は身を持って知っている。



どうしよう……、逃げ出そうか?



今は誰も見てないし、逃げるのは恥じではない。



どうしよう……、怖い、怖いよ!



僕がそんなことを思っているとき、僕には予想もできなかった奇跡が起きた。



何と、僕を見たミイラ男たちは、慌てて僕から逃げていったのだ。



僕は草むらの中に逃げ込んでいったミイラ男たちの群れをその場に立ちつくして、呆然と見つめていた。