病んでる僕と最強の勇者たち

「オレはマギーと一緒に東の敵を倒す。

リリーは明彦と一緒に西の敵を倒してくれ」



「うん、わかったよ。

それじゃ、リリーは明彦君と一緒に西に行くね」



リリーがそう言ったので、僕が西の大地へと目を向けると、そこには数えきれないほどの大量のモンスターたちが、ところ狭しとうごめいていた。



この前、初めての戦闘を終えたばかりの僕が、こんなにたくさんの敵と戦えるのだろうか?



でも、考えてみれば、僕もみんなと同じようにLV99の最強のステータスを持っている賢者だ。



僕だってその気になれば……。



「行こう、明彦君。

城門が閉まるよ。

リリーたちは敵を全滅させなきゃダメなんだよ」



リリーは魔法使いっぽい黒色の三角帽を被りながら、小首を傾げて僕にそう言った。



僕はそう言って、たくさんのモンスターたちを前にしても余裕な様子のリリーを改めて見つめていた。



ピンク色のストレートの長い髪に、ピンク色と黒色の二色で彩られているセクシーな魔法使いっぽいドレス。



コスプレ好きの男子であれば、すぐに心を持っていかれそうなこのかわいらしい少女の中に、どうしてものすごい魔力が備わっているのか、僕はそれが知りたかった。