「マジかよ」


ていうか永瀬くん、私と同じクラスなの知らなかったみたい。


それほど女子に興味がないってことか。女ギライなんだもんね。


「分かってると思うけど」


バンッ!


激しく雑誌が閉じられた。


その音でさえも、びっくりして肩がビクンッと上がる。


「この家に住んでること、誰にも言うなよ」


「は、はいっ……」


「もちろん学校でも俺に話しかけるな」


「……はい」


「それから、俺の部屋には二度と入るな」


「……ご、ごめんなさい……」


全て肝に銘じます。


もちろん、必要最低限のこと以外、永瀬くんに関わりません……!


そのあと無言になった永瀬くんは、再び雑誌を手に取った。


もう出ていけってことだと思い、


「失礼しました……」


私はそっと、部屋のドアを閉めた。