「わ~、そう言ってもらえて嬉しいわ~。シーツやベッドカバーも新しくしちゃったのよ~」


そう言って、ベッドをひと撫でする香織さんはとっても楽しそう。


なんか、少女みたい……。


「色々と……ありがとうございます」


私のために整えてくれたのかと思うと、素直に嬉しかった。


「机とかは古いけど、ちょっと我慢してね」


「全然大丈夫です!」


確かに少し年季が入ったような勉強机。


誰が使ってたんだろう……?


「着替えたら下に降りてきてね。ケーキを買ってきたから、一緒に食べましょ」


「はい」


ふふっとやっぱり少女のように笑った香織さんは、機嫌よさそうに部屋を出て行った。


私はカバンを下ろし、もう一度部屋の中をぐるりと見渡す。


なんだか楽しくなりそうだな。


さっきまでは不安でいっぱいだったことなんて忘れ、鼻歌まじりに着替えを済ませた。