「それさ……」
「うん」
朔くんの目を見つめながら、ごくりと唾をのんだ。
「実は……生徒会の、副会長なんだ……」
「えっ?」
副会長って……平井先輩!?
「な、なんで……」
手が震えた。
猫好きの先輩と後輩っていう間柄で、仲良くしてくれていた平井先輩が……?
どうして?
でも、そんなに確信をもって言うんだから、そうなんだろう。
その事実が受け入れられなくて、視線が落ちていく。
私がショックを受けているのが分かったのか、握る手にぎゅっと力が入った。
「あの電話番号は、小春に嫌がらせした連中の中にはいなかった。だから、交友関係の広い3年の女子に聞くことにしたんだ」
朔くんは、ゆっくり話してくれた。



