手を顎にあて考える。優柔不断だから、こういうのパパっと決められないんだよね。
「じゃあ、小春はこっち」
渡されたのは、ストロベリー味。
朔くんはグレープフルーツ味の蓋を開けると、ささっと食べ始めた。
こういう決断力、男らしくていいなぁ。
「ちょっと食わせて」
「うん」
そう言われ、カップを差し出せば。
「ちがうちがう」
「へっ?」
キョトンとする私に、可愛らしくニコッと笑う朔くん。
そして、その顔のまま口を開けて待っている。
なにその顔っ!
そんな可愛い顔、反則だって。
「小春が食わしてよ」
更にはそんなことを言ってくるから、もう私の母性はくすぐられまくり。
ドキドキしながらひとさじすくって朔くんの口元へ近づける。



