胸の奥をくすぐるような言葉に、心臓がふわっと浮き出ちゃうかと思った。
「で、でも……っ」
「小春は、イヤ?」
イヤ、じゃないけど。
「……ドキドキしちゃうから」
消え入りそうな声で言えば、
「……っ、なに可愛いこと言ってんだよ。あーもう無理」
無理やり私の視界に入り込んできた朔くんは、そのまま私の唇を奪った。
「んんっ……!」
朔くん、甘すぎるよ……!
朔くんがこんな人だったとはびっくり。
でも、感情を素直にぶつけてくれるのって、素直に嬉しい。
「今日は一日中ベッドで過ごす?」
「……っ!? そ、そんなのダメだよっ……んっ……」
合間に落とされるキスの嵐で、まともに言葉が発せない。
「ひゃっ……」
「言葉と反応が違うけど?」
「……っ」
「俺にはもっと欲しいって聞こえる」
イジワルなささやきに、もう私は何も言えなくちゃった。
「もうちょっとこうさせて」
私をぎゅっとしながら目を瞑る朔くんに、私もうなずいて、その胸に体を預けた。



