ビクッ。


早く帰ってきてほしいと思ってたのに、帰って来たとなると体が緊張に包まれる。


「ただいま。遅くなって悪かったな」


リビングに入ってきた朔くんは、いつも通りだった。女の人とデートしてきたなんて、知らなければわかんない。


「ううん」


ちゃんと笑えてるかな。


いつもと同じでいられてるかな。


「新太がしつこくてさー」


……え?


「相談があるとか言われて、ハンバーガー食いながら仕方なく付き合ってきた。ごめんな、今日のメシ何だった?」


そう言いながら、キッチンをのぞきこむ。


……っ。


なんでウソつくの?


長谷川くんと一緒じゃなかったのなんて知ってる。


キレイな女の人と一緒にいたのに。


「そ、そうなんだ……」


でも、朔くんがそう言うなら、私だってそれを受けいれるしかなくて。