「ナナ、男はコイツだけじゃないよ」


「そうだよ。ナナは可愛いんだからもっといい男いるって」


それに対して、告白してきた女はうんうんと頷きながら肩を抱かれ去っていく。


……うんうんじゃねえだろ。なに同意してんだよ。さっきまで俺のこと好きだったんじゃねえの?


ばかばかしい……俺は呆れながら教室へ向かった。


……そんなもんだよな。


振ったとたんこれだもんな。


姉貴で学習した女のクソさは、いつの時代も同じらしい。


俺にどんな幻想を抱いているのか知らないが、俺のことをよく知りもしないで好きになって告白してきたそっちが悪いんだ。


今日の放課後は、カフェで俺の悪口を散々言うんだろ?


失恋して食べ物が喉を通らなくなるなんてウソだ。


やけ食いするのを俺は知っている。